regenerative medicine 膝の再生医療

PRP療法とは

新たな治療で注目されているPRP療法(多血小板血漿)は、ご自身の血液の血小板を利用した再生医療の一つです。

血小板には、血管が損傷したときに、損傷した場所に集まって血を固める働きがあります。その際、血小板から多量の成長因子が放出され、損傷部の修復が始まります。

PRP療法は、血小板の成長因子を高い濃度で抽出し、患部に注射することで、組織の修復力を最大限に引き出し、「痛みを軽減」させる効果が期待されております。

PRP-FD療法(PFC-FD)とは

PFC-FD(Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dry)療法とは、患者様自身の血小板に含まれる成長因子を利用したもので、直訳すると「血小板由来の成長因子の濃縮液を凍結し乾燥保存したもの」。

PFC-FDは、細胞成分をフィルタリングにて濾過し、組織の修復に大切な成長因子のみ取り出して、フリーズドライ加工しております。細胞加工物を用いていないため、煩雑な再生医療法の申請が不要となり、やっと一般のクリニックでも治療が可能となりました。

(令和3年8月現在、PFC-FDの提携医療機関数は750院以上に導入され、19,990件以上の実績がございます。)

PFC-FDの特徴

近年ではプロゴルファーやメジャーリーガーなど多くの選手が手術をせずに痛みを取ることを目的に行うPRP(多血小板血漿)療法が注目されていますが、PFC-FDはこれを応用し成長因子を活性化した方法です。

このPFC-FDはPRPの約2倍の成長因子が含まれており、靱帯や腱だけでなく、関節の治療に高い効果が期待できるようになりました。このPRC-FDは、損傷した関節の軟骨を元通りにするものではなく、成長因子により痛んだ組織の修復を促し、膝痛を軽減することが期待でき、急速に全国に広まっております。 

また、従来の再生医療では、30万円以上の大変高額な医療のため、治療に断念する方が多く見られました。しかし、このフリーズドライ化したPFC-FDの出現により、比較的お手頃な価格でPRP療法を実現できております。

その他のPRP療法(APS療法)

APSとは、自己タンパク質溶液のことであり、PRPからさらに炎症を抑えるのに有効なタンパク質を取りだしたものです。

APSは、損傷した筋肉や腱の治療ではなく、膝の痛みや腫れなどの関節炎の治療に適しております。同日に注射が可能であり、注射後の痛みは多少ございます。費用も35万円程度のようです。

※当院では、現在APSの取り扱いはございません。

PRP-FD(PFC-FD療法)の位置付け

今までの治療

今までの治療

整形外科において、まずは保存療法が選択され、できる限り手術を先延ばしにすることが主流でした。

しかし、場合によっては手術まで痛みが何年も続いたり、合併症などで手術ができない方は諦めたりといった状態でした。

これからの治療

これからの治療

そこで保存療法と手術療法の中間的な位置付けとして、「再生医療」という選択肢が増えました。

血液の血小板から再生因子を生成し、自己修復能力を活性化します。また、自己の血液を使用するため副作用は少ないとされています。

PRP-FD(PFC-FD)療法の対象患者様

現在、膝の治療は「患部への注射」「関節内注射」「痛み止めの内服」「手術」といったものが一般的な治療ですが、PFC-FD療法は注射や薬などの効果が少なく、手術をお考えの方に対する新たな治療の選択肢となります。

こんな膝のお悩みを抱えている方を対象としています。

  • ヒアルロン酸注射を続けているが痛みが続いている方
  • 慢性的な痛みが続いている方
  • 現在の治療法で、ひざの痛みが改善しない方
  • ひざの手術に抵抗がある方
  • ひざの痛みで継続して通院する時間がない方
  • 半年から一年間の治療効果を期待している方
  • 薬で痛みを抑えている。サプリメントが効果が無い方
  • 治療の安全性とリスクを重要視している方

PFC-FD療法に期待される効果

関節内で炎症をおこしている場合には炎症や痛みの緩和が期待できますが、その効果は個人差があります。

また、炎症が抑制されている間にリハビリを行い、患部周囲の筋肉を鍛えることで関節への負担を減らすことができるためQOL(生活の質)が向上し、痛みが軽減することで運動を継続することが可能となり体重減少につながるため、関節への負荷が軽減するという好循環を獲得できる可能性があります。

PFC-FD療法のメリットと注意点

安全性

PFC-FDは患者様自身の血液から製造されるため、拒否反応や感染症のリスク、その他の副作用が少ない治療と言えます。個人差はありますが、稀に1週間程度腫れてしまう場合があります。

身体的負担が少ない

PFC-FDは関節注射のみの施術のため、入院などもなく、注射を受けた当日に歩いて帰ることも可能です。

自由度の高い施術

手術では病院や家族との相談や日程調整があり、思う様に話が進まないことが多いですが、PFC-FDは予約もいつもの診察予約と同じ様なタイミングで比較的簡単に日程を調整できます。

注意事項

  • PFC-FD療法は公的保険が適用されない「自由診療」での治療になります。保険診療の場合治療費は一部ですが、自由診療では全額自己負担となります。
  • PFC-FD療法は自由診療のため、取り扱っている医療機関によって値段は異なるため各医療機関へ直接お問い合わせいただく必要があります。PFC-FD療法は個人の血小板に含まれる成長因子の働きを活用した治療のため個人の成長因子の働きによって効果が変わります。
  • 拒否反応やアレルギーリスクは非常に少ないと考えられ、現時点では深刻な副作用等は報告されていませんが、新しい治療のため新たなリスクが今後発見される可能性も考えられます。

以下に該当する方は施術を受けられません

  • 血小板機能不全症候群
  • 重大な血小板減少症
  • 血行力学的に不安定な方
  • 敗血症
  • 処置部位の局所感染
  • その他リスクを受け入れたくない方
  • 医師の判断で不適切と考えられる方 など

PFC-FD治療受診の流れ

  1. 1

    一般外来診察を予約

    お電話、またはホームページより予約をお取りください。

  2. 2

    診察(検査) 

    医師が、現在の患者様の患部の状態、感染症の有無、膝の変形の程度を考慮して患者様に対して本治療が適用か否かを判断させていただきます。また場合によってはレントゲン検査も行います。 説明を受けた上で治療を希望される場合は、次回採血の日時をご予約ください。

  3. 3

    別日に採血(約50CC)

    患者様から約50ccの血液を採取します。この日に説明書・同意書への署名と施術料金のお支払い(カード決済可)をお願いいたします。

  4. 4

    細胞加工センターでPFC-FDを製造

    採血当日に血液をセルソース再生医療センター(厚生労働省の認可を受けた細胞加工センター)に搬送しPFC-FDを作成します。

  5. 5

    患部へ注射

    3週後以降に再度来院いただき患部(膝)へ注射をします。
    注射当日から3日はリハビリ、激しい運動や重労働はお控えください。

  6. 6

    リハビリ

    基本的にリハビリは注射施行前から進めていくことになります。施行前から介入することで注射の効果や様々な問題点を把握させていただきます。
    注射後の効果は約1年程度(個人差あり)との報告もありますが、このリハビリを継続することで、動き方や姿勢を修正し、関節への負担を軽減させたり、継続的な運動による体重のコントロールを行ったりといったことが重要になります。

費用について

PFC-FDの料金(税込)
PFC-FD PFC-FD2.0
採血料 11,000円
施術料 130,000円 150,000円
合計 141,000円 161,000円
  • ※自費診療開始日に採血料と施術料をまとめてお支払いいただきます
  • ※各種カードのお取り扱いもございます

メディア掲載

  • 週刊文春

    2021年10月7日号

    週刊文春(PDF)

Q&A

Q副作用はありますか?
A

PFC-FDは自己血を使用するため副作用は少ないと言われています。一般的な注射治療と同じ様に、患部の痛み・腫れ・皮下出血などの症状が出ることがありますが、いずれも一時的なものなので1週間程度で症状は改善します。

Q効果はどのくらいの期間ですか?
A

効果は6ヶ月から1年程度と言われていますが、もともとの症状や生活環境などによる個人差があります。しかし、運動療法を併用することでさらに効果を持続できる可能性があります。

Q施行した後の日常生活の制限はありますか?
A

注射当日の入浴は避けてください。また、注射直後の激しい運動は避け、日常生活での動作に制限はありません。お仕事などで不明な点はあらかじめ診察時にご相談ください。

Q高齢でも受けられますか?
A

年齢による制限はありませんが、感染症や患部の状態によっては適応外となることがあるため、一度院長の診察をお勧めいたします。

どんな症状でも
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ただの肩こりかと思っていても
実は大きな病気が原因の場合もあります。
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